『風の谷のナウシカ』(かぜのたにのナウシカ)は、宮崎駿による日本の漫画作品。漫画は『アニメージュ』1982年2月号より連載を開始し、映画制作などのため4度の中断期間を挟みながら、1994年3月号にて完結した。
1984年映画化され、1984年『風の谷のナウシカ』が公開された。
- 日本語名風の谷のナウシカ
- ジャンルSF・ファンタジー
- 掲載誌アニメージュ
- 出版社徳間書店
- 作者宮崎駿
- 国・地域日本
- 発表期間1982年2月号 - 1994年3月号
- 巻数全7巻
あらすじ
世界のほとんどが猛毒の森「腐海」と砂漠に覆われた世界に生きる、辺境自治国家・風の谷の王女ナウシカは、古い盟約に従い、トルメキア王国と土鬼諸侯国連合帝国との戦争に出陣する事となった。トルメキア、土鬼(ドルク)という敵対する二大列強国と、その辺境地にあるトルメキアの同盟国「風の谷」および、工業都市ペジテ市が主な舞台となっている。[1]
登場人物
ナウシカ | 本作の主人公。風の谷の族長ジルの末娘で、母や10人の兄姉たちは腐海の毒で亡くなっている。精神世界で蟲や一部の人間と交信する能力も持つ。 |
ジル | 風の谷の族長・ナウシカの父。妻とナウシカ以外の10人の子に先立たれている。腐海の毒に冒され、体の石化が進んでいた。 |
ユパ・ミラルダ | 伝説の剣士。ナウシカの父で風の谷の族長だったジルの旧友。腐海辺境一と称される剣豪ながら争いや殺生を好まない人格者。 |
ミト | 風の谷で城に仕えていた初老の男性。土鬼語を話せるものの上手くは無い。 |
テト | 架空の動物。小獣キツネリスの一個体。ナウシカに懐いており、常に行動を共にしている。 |
用語
風の谷 (かぜのたに)
主人公ナウシカの故郷である小国であり、辺境諸国の一つ。人口は500人程度。 風の神への信仰を持ち、エフタル語を話す。腐海と砂漠に覆われた世界では貴重な草原や森林に恵まれている。
トルメキア王国 (とるめきあおうこく)
風の谷の東方 (大陸の東端) に存在する王国で、辺境諸国を傘下に従えている。南端にある首都トラスは、かつての巨大都市の廃墟に寄生した街。
土鬼諸侯国連合帝国
(どるくしょこうれんごうていこく)
土鬼(ドルク)と総称される人々の部族国家の連合体。国号は土鬼諸侯国連合帝国。旧世界の技術を伝えるシュワの墓所を擁し、テクノロジーでトルメキア王国に先んじる。
腐海 (ふかい)
巨大な菌類からなる樹海で、蟲(むし)と呼ばれる異形の動物達が棲んでいる。大陸の西及び北端を中心に広がっている。腐海植物は瘴気と呼ばれる猛毒ガスを排出し、人間は防毒マスクなしでは腐海で生きられない。
作者紹介
プロフィール
氏名:宮崎 駿(みやざき はやお)
生誕:1941年1月5日
国籍:日本
職業:映画監督、アニメーション作家、漫画家
作品
- 長靴をはいた猫
- 砂漠の民(秋津三朗名義)
- どうぶつ宝島 ※以上は初期作品
- 妹へ(「宮崎駿・大塚康生の世界」に収む)
- 風の谷のナウシカ(全7巻)、※第23回日本漫画家協会賞・大賞作品
- シュナの旅 徳間書店アニメージュ文庫
- 駆けろ二馬力 風より疾く(『NAVI』1989年12月号、『CAR GRAPHIC』2010年8月号、各二玄社)
- 空中でお食事(日本航空のJALWINDS、1994年6月号に収む)
- 風の谷のナウシカ-宮崎駿水彩画集 徳間書店(ほか)
受賞
賞 | 年 | 部門 | 作品 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
日本アニメ大賞 | 1984年 | 作品賞 | 『風の谷のナウシカ』 | 受賞 | |
1986年 | 特別賞 | - | 受賞 | ||
1988年 | 作品賞 | 『となりのトトロ』 | 受賞 | ||
脚本賞 | 受賞 | ||||
星雲賞 | 1985年 | 映画演劇部門 | 『風の谷のナウシカ』 | 受賞 | |
1989年 | 映画演劇部門 | 『となりのトトロ』 | 受賞 | ||
1995年 | コミック部門 | 『風の谷のナウシカ』 | 受賞 | ||
毎日映画コンクール | 1986年 | 大藤信郎賞 | 『天空の城ラピュタ』 | 受賞 | |
1988年 | 日本映画大賞 | 『となりのトトロ』 | 受賞 | ||
大藤信郎賞 | 受賞 | ||||
1989年 | アニメーション映画賞 | 『魔女の宅急便』 | 受賞 | ||
1992年 | アニメーション映画賞 | 『紅の豚』 | 受賞 | ||
1997年 | 日本映画大賞 | 『もののけ姫』 | 受賞 | ||
アニメーション映画賞 | 受賞 | ||||
1997年 | 日本映画大賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
監督賞 | 受賞 | ||||
アニメーション映画賞 | 受賞 | ||||
2008年 | 大藤信郎賞 | 『崖の上のポニョ』 | 受賞 | ||
ブルーリボン賞 | 1988年 | 特別賞 | 『となりのトトロ』 | 受賞 | |
1997年 | 特別賞 | 『もののけ姫』 | 受賞 | ||
2001年 | 作品賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
報知映画賞 | 1988年 | 監督賞 | 『となりのトトロ』 | 受賞 | |
2001年 | 監督賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
芸術選奨 | 1989年 | 文部大臣賞(映画部門) | 『となりのトトロ』 | 受賞 | |
ゴールデングロス賞 | 1989年 | 最優秀金賞 | 『魔女の宅急便』 | 受賞 | |
マネーメイキング監督賞 | - | 受賞 | |||
1992年 | 最優秀金賞 | 『紅の豚』 | 受賞 | ||
マネーメイキング監督賞 | - | 受賞 | |||
1997年 | 最優秀金賞 | 『もののけ姫』 | 受賞 | ||
2001年 | 最優秀金賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
マネーメイキング監督賞 | - | 受賞 | |||
2005年 | 最優秀金賞 | 『ハウルの動く城』 | 受賞 | ||
マネーメイキング監督賞 | - | 受賞 | |||
2008年 | 最優秀金賞 | 『崖の上のポニョ』 | 受賞 | ||
マネーメイキング監督賞 | - | 受賞 | |||
2013年 | 最優秀金賞 | 『風立ちぬ』 | 受賞 | ||
全興連特別功労大賞 | - | 受賞 | |||
2014年 | 全興連特別賞 | - | 受賞 | ||
アヌシー国際アニメーション映画祭 | 1993年 | 長編部門グランプリ | 『紅の豚』 | 受賞 | |
日本漫画家協会賞 | 1994年 | 大賞 | 『風の谷のナウシカ』 | 受賞 | |
日本アカデミー賞 | 1997年 | 作品賞 | 『もののけ姫』 | 受賞 | |
2001年 | 作品賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
会長功労賞 | - | 受賞 | |||
2008年 | アニメーション作品賞 | 『崖の上のポニョ』 | 受賞 | ||
日刊スポーツ映画大賞 | 1997年 | 監督賞 | 『もののけ姫』 | 受賞 | |
2001年 | 作品賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
アニメーション神戸 | 1997年 | 部門賞・演出部門 | - | 受賞 | |
2001年 | 作品賞・劇場部門 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
文化庁メディア芸術祭 | 1997年 | アニメーション部門大賞 | 『もののけ姫』 | 受賞 | |
2001年 | アニメーション部門大賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
川喜多賞 | 2020年 | - | - | 受賞 | |
アニー賞 | 1998年 | ウィンザー・マッケイ賞 | - | 受賞 | |
2002年 | 長編作品賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | ||
長編作品監督賞 | 受賞 | ||||
長編作品脚本賞 | 受賞 | ||||
2013年 | 長編作品脚本賞 | 『風立ちぬ』 | 受賞 | ||
ベルリン国際映画祭 | 2002年 | 金熊賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | |
アカデミー賞 | 2002年 | 長編アニメーション映画賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | |
2005年 | 長編アニメーション映画賞 | 『ハウルの動く城』 | ノミネート | ||
2013年 | 長編アニメーション映画賞 | 『風立ちぬ』 | ノミネート | ||
2014年 | 名誉賞 | - | 受賞 | ||
ニューヨーク映画批評家協会賞 | 2002年 | アニメ映画賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | |
2005年 | アニメ映画賞 | 『ハウルの動く城』 | 受賞 | ||
2013年 | アニメ映画賞 | 『風立ちぬ』 | 受賞 | ||
ロサンゼルス映画批評家協会賞 | 2002年 | アニメ映画賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | |
2013年 | アニメ映画賞 | 『風立ちぬ』 | ノミネート | ||
2018年 | 功労賞 | - | 受賞 | ||
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 | 2002年 | アニメ映画賞 | 『千と千尋の神隠し』 | 受賞 | |
2013年 | アニメ映画賞 | 『風立ちぬ』 | 受賞 | ||
ザグレブ国際アニメーション映画祭 | 2004年 | 功労賞 | - | 受賞 | |
ヴェネツィア国際映画祭 | 2005年 | 栄誉金獅子賞 | - | 受賞 | |
2008年 | ミッモ・ロテッラ財団賞 | 『崖の上のポニョ』 | 受賞 | ||
フューチャー・フィルム・フェスティバル・デジタル・アワード特別表彰 | 受賞 | ||||
ネビュラ賞 | 2007年 | スプリクト部門 | 『ハウルの動く城』 | 受賞 | |
インクポット賞 | 2009年 | - | - | 受賞 | |
バークレー日本賞 | 2009年 | - | - | 受賞 | |
アイズナー賞 | 2014年 | 漫画家の殿堂 | - | 受賞 |